翼型

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    翼型
    翼型(よくがた、英: airfoil, aerofoil, wing section,
    etc)は、翼の断面形状のこと。揚力や抗力の発生と関係があり、翼の性能を左右する。まれに翼
    形と記されることもある。

    翼断面として一般によく挙げられる形状は、前縁が丸く後縁が尖った形状をしている。これは「効
    率よく揚力を発生させるため」である。単純な板でも揚力は発生するが、抗力すなわち損失が常に
    大きいため実用に適さない。多くの場合、抗力を減らし揚力を増やす、つまり揚抗比を良くする視
    点から最適翼型が追及される。航空機の翼に限っても翼型は飛行速度・機体や翼の大きさ・使用方
    法などの違いによりそれぞれに最適な形状がある。
    製造の際はミリ単位(あるいは0.1ミリ単位)で厳密に翼型を再現しなければ性能が一定しないとい
    った繊細なものである。また表面の滑らかさも重要で、低い翼型再現度では簡単に境界層剥離が起
    こり、効力および失速性能が著しく低下する可能性がある。操縦性や安定性にも大きな影響を与え
    るため、翼型の選定と再現度は航空機の安全性においても大変重要な項目である。
    また、レイノルズ数やマッハ数によって理想的な翼型は異なる。前述の「一般的な翼型」は、一般
    的な航空機において最もよく使われる速度領域、つまり亜音速領域(マッハ数 M < 0.8
    程度)においてのレイノルズ数(Re > 106程度)の範囲に適した翼型と言える。
    昆虫の飛行のような低レイノルズ数領域では、翼は薄ければ薄いほど、そして反りとギザギザがつ
    いた形状が優れた翼型と言なる。レイノルズ数は粘性と慣性力の比であり、値が小さいほど粘性の
    影響が大きいことを示す。低レイノルズ数ほど剥離が起きづらいため、前縁部を丸くしたり翼全体
    を凸形状にする必要が無く、また、反りを大きくできる。
    衝撃波による造波抵抗が生じる超音速の領域においては前縁が鋭角的なレンズ翼やダイヤモンド翼
    が有利である。

    出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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