「義務教育の意義について」 教科書『問いからはじめる教育学』の第5章「教育を受ける権利」を中心に、第6章「子どもの学びを支える仕組み」、第7章「子どものための学校ってどんな学校?」、第8章 「学校では何を学ぶの?」、第13章「教育と学校の未来はどうなるの?」などを読む。 そのうえで、1「義務教育の意義」について概要をまとめるとともに、2自分でテーマや 課題を設定して論じる。
義務教育の意義と、
障がいのある子どもの教育を中心に心がけるべきことは何か
1. 義務教育の定義について
戦前、大日本帝国憲法での教育は軍事主義的な要素の強い、天皇をトップとする教育勅語体制の下にあった。道徳教育として修身科目が設けられ、国家主義的な思想を育んだ。第二次世界大戦ではそのような教育の結果、命だけではなく日本の人々が作り上げてきた文化までもが失われてしまった。日本国憲法ではこの反省をもとに教育再建を目指し、1947年に施行された旧教育基本法によって教育を受ける権利を尊重した。労働によって収入を得て生活をし、休日は文化的な活動に勤しみ、自身の思考を世の中に反映させるための選挙投票も全て教育に起因するものである。実際に高度経済成長期では所得と社会的地位の高い職業が生まれ、その職業に就くために進学の意欲も高まりを見せた。
現在の教育を受ける権利については、日本国憲法26条1項で「一人ひとりの個性やもてる能力の可能性を最大限に伸ばせる教育を受ける権利が、誰に対しても平等に保障されている(勝野正章ら,2015,p63)。」と、定められている。どの現場でも統一の教育の機会が全員に...