1.記憶はその保持時間の長さによって、感覚記憶、短期記憶、長期記憶に区分される。
「意味記憶」、「エピソード記憶」、「手続的記憶」、「自伝的記憶」はどれも容量に限界がなく、永続的に保持される長期記憶に分類される。また、長期記憶は、イメージや言語として意識的に内容を想起・あるいは想起した内容を言語化可能な記憶である宣言的記憶と、想起する意図を伴わない、あるは言語化できない、またはしにくい記憶である非宣言的記憶に分類される。
2.宣言的記憶(陳述的記憶)
何であるか(WHAT)についての記憶である。意識的に思い出される記憶であり、顕在記憶にほぼ対応する。しかし、意味記憶とエピソード記憶が異なる記憶システムと解するかどうかは研究者間対立がみられる。
a.意味記憶
エピソードを伴わない一般的知識としての記憶である。言語とその意味、知覚対象の意味や対象同士の関係、社会的ルールなど、世の中に関する組織化されたものが含まれる。通常同じような経験の繰り返しにより形成され、その情報をいつ、どこで獲得したかのような付随情報が消失し、内容のみが記憶に定着したと考えられる。加齢による影響が少ない。
b.エピ...