本レポートではヤングケアラーの概説およびこの現象が認知され難い構造について論述する。
1400文字程度
引用・参考資料
1. 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(2019)『ヤングケアラーの実態に関する調査研究』https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2019/04/koukai_190426_14.pdf
2. 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(2020)『ヤングケアラーへの早期対応に関する研究』https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2020/04/koukai_200427_10_1.pdf
3. 子家発 0704 第1号 令和元年7月4日 要保護児童対策地域協議会におけるヤングケアラーへの対応について
https://www.mhlw.go.jp/topics/2020/01/dl/4_kodomo-07.pdf
本レポートではヤングケアラーの概説およびこの現象が認知され難い構造について論述する。
ヤングケアラーとは「年齢や成長の度合いに見合わない重い責任や負担を負って、本来、大人が担うような家族の介護(障がい・病気・精神疾患のある保護者や祖父母への介護など)や世話(年下のきょうだいの世話など)をすることで、自らの育ちや教育に影響を及ぼしている 18 歳未満の子ども」のことである。
これらの問題は昔から存在していたものであるが、ヤングケアラーという言葉を目にするようになったのは近年のことである。そのため、ヤングケアラーという現象自体は把握されながらも問題として認識されなかった構造に着目したい。
まず、1点目に家庭のことであるため把握が難しいということである。これは「ヤングケアラー」と思われる子どもの実態を把握していない理由、「ヤングケアラー」である可能性を早期に確認する上での課題でももっとも多く挙げられており、家庭というプライバシーで守られた空間はより近年では介入しがたい場所となっている。
また、2点目は家族や周囲の大人に子どもが「ヤングケアラー」である認識がない点である。家族や周囲の...