東北福祉大学・通信教育部の2021年度提出レポート課題です。「優」判定をいただいています。
(課題)
ヴィゴツキーの「発達の最新接領域説」は、どんなところが“学ぶ人の味方”になっている考え方か。ピアジェの「発達段階説」と対比させて説明しなさい。
(解答)
ヴィゴツキーの最近接発達領域とは、他者との関係において「あることが出来る(=分かる)」という行為の水準ないしは領域のことを説いたものである。以前より我々には、他者の助けなしに分かることと、他者の助けがなくては出来ないことがある。学校教育の現場では、学習者である児童・生徒は、他者(先生)による教育にのみ学習を完成することができるという固定観念に長い期間縛られてきた。学習・経験したことが分かる、出来るようになる、理解できることを我々は「発達」や「成長」と呼んでいるが、我々は果たして、他者の助けの有無で「出来る(=分かる)」 ということを理解してよいものだろうか。他者の助けがなければ出来ないことの中には、他の児童・生徒と一緒であればできるような事柄がある。一般的に、他の児童・生徒と一緒に出来ることのレパートリーは、一人で出来ることよりも広い範囲である。ヴィゴツキーはその範囲を、人間は社会だけでなく、歴史だったり、文化だったり...