「ライフサイクルの変化と高齢者福祉について」
ライフルサイクルは、人間の誕生から死に至るまでの一生の過程の事である。また個人ではなく、人間全体の流れにおいて考えられている。具体的に見ると人は子孫を残すということだ。そして、その子孫もさらに子孫を残していく流れだ。こういった世代交代や、その当時の社会状況による生活リズムの違いなどで、ライフサイクルでは「人」が考えの基本対象になっている。
その反面、ライフステージでは「個人」が対象とされているのだ。人間の一生における幼年期・児童期・青年期・壮年期・老年期などの、それぞれの段階を指している。家族については新婚期・育児期・教育期・子独立期・老夫婦期などに分けられる。これは、人の一生を輪切りにして側面から見たもの、と考えればわかりやすい。
第二次世界対戦終了頃までは人生50年時代と言われていたが、経済成長に合わせ長寿社会へと歩みを早め、平成18年の簡易生命表によれば平均寿命が男性は男79.0歳、女性は85.8歳と世界的にも高い水準を示している。この急激な変化は、私達のライフサイクルに大きな変化を与えただけではなく、家族関係の変化や少子化など長寿社会を取り巻く周囲にも影響を出している。
「男女共同参画白書」を参照して、大正時と最近とでの特徴的な変化をみていきたい。①晩婚化
男女共に初婚年齢が高くなり、晩婚化が進んでいる。その背景には結婚することが幸せであるといった考えが薄れ、仕事を持ち自立した生活をする傾向が見られると言える。つまり、結婚に対する価値観が変化したのだ。
②少産少子化
晩婚化などの影響を受けて、女性が一生涯の中で生む子供の数が1.3人と低下傾向を辿っている。そこには、女性の高学歴や社会進出が要因ではないかと考えられており、そこから子供の人口と出産人口が減少していき、変りに高齢者人口が今後も増加するのは明白である。
③ 定年後の長期化
長寿になったことにより、定年後の期間が昔よりも長くなった。余生といった言葉は死語となり、新しい人生を送るには相応しい長い期間があるということだ。しかし、妻は子離れ後から徐々に老後の準備を進めることができるが、夫はそれまで仕事一筋だった人生が定年により一転した日常生活になる。その変化に対応できず、気力などを失ってしまう場合がある。また、この定年後の生活に対しての不安からか、定年前後に離婚をしてしまう夫婦も増加傾向を辿っている。そういった問題に対し、最近では企業側が定年間近の職員や、その妻を対し定年準備に関するセミナーを開催し、定年後の行き方のアドバイスをおこなっているところも出てきた。
④ 寡婦期間の長期化
老人福祉施設などに入所している男女の比率は、やはり女性の方が高く、長生きするのが普通で自然な形にみえる。しかし、夫の死後、つまり寡婦期間がどんどん長くなっていき、長期間の一人暮らしをどうやって過ごしていくかが重要な問題だ。
⑤ 独居生活の長期化
昔は三世代が同居をして暮らす姿が基本で家庭生活が営まれていた。老後の生活もその子供の世代の扶養や介護に支えられていたのだ。しかし、世帯構造が核家族へと進み、独り暮らしや高齢者夫婦のみでの孤立的な世帯が急増した。また、家族観も変化をし、親が元気なうちは子供世帯が独立世帯を形成し離れて生活をする姿が強い。これからも、扶養意識が変化を続け子供世代に頼らないという姿が増え、子供世代も親の介護などについて自分の手で行っていくという考えが希薄化する可能性が高い。
こうした長寿化によるライフサイクル変化にあわせ高齢社会の問題が出てき
「ライフサイクルの変化と高齢者福祉について」
ライフルサイクルは、人間の誕生から死に至るまでの一生の過程の事である。また個人ではなく、人間全体の流れにおいて考えられている。具体的に見ると人は子孫を残すということだ。そして、その子孫もさらに子孫を残していく流れだ。こういった世代交代や、その当時の社会状況による生活リズムの違いなどで、ライフサイクルでは「人」が考えの基本対象になっている。
その反面、ライフステージでは「個人」が対象とされているのだ。人間の一生における幼年期・児童期・青年期・壮年期・老年期などの、それぞれの段階を指している。家族については新婚期・育児期・教育期・子独立期・老夫婦期などに分けられる。これは、人の一生を輪切りにして側面から見たもの、と考えればわかりやすい。
第二次世界対戦終了頃までは人生50年時代と言われていたが、経済成長に合わせ長寿社会へと歩みを早め、平成18年の簡易生命表によれば平均寿命が男性は男79.0歳、女性は85.8歳と世界的にも高い水準を示している。この急激な変化は、私達のライフサイクルに大きな変化を与えただけではなく、家族関係の変化や少子化など長...