評価Cです。
スポーツ用品を販売しているX は、「Y 同好会にスポーツ用品を販売したが、期日を過ぎても代金の
支払いがない」と主張して、Y に対し、代金30 万円の支払いを求める訴訟を提起した。
(1)一般的に民事訴訟の当事者になることができるのはどのようなものか、説明しなさい。
(2) Y 同好会が、(1)の基準を満たしているかどうかは、どのような手続で判断されるか。手続の開始、
判断資料の収集の2 つの観点から述べなさい。
(3) Y 同好会が(1)の基準を満たしていることを前提に、裁判所は、契約の存在が認定できないこと
を理由に、X の請求を棄却し、判決は確定した。その後、判決内容に納得のいかないX が、再度、
Y に対し、同じ代金30 万円の支払いを求めて提訴した場合、事件を担当する裁判所はこの訴えを
どのように処理するか。
(1)民事訴訟の当事者とは、自己の名で訴訟を追行し判決の名宛人になる者である。必ずしも審判対象となっている権利義務の帰属者である必要はない。当事者になることができるのは、当事者能力を有する者である。当事者能力とは、原則として民法その他の法令により定められている権利能力とほぼ同義であり(民訴28条)、自然人(民3条)・法人(一般法人3条)(民34条、35条)・国(民訴4条5項)及び行政庁(行訴11条2項)、また一定の法律関係については胎児(民721条、866条1項、965条)も当事者能力を有している。例外は、法人格を持たない団体や財団にも当事者能力が認められることである(民訴29条)。法人格を持たない団体でも、社会活動をしている以上他者との紛争が発生することもあり、民事訴訟に関しては当事者能力を認めるのが合理的である。
権利能力なき社団に当事者能力を認めた判例(最判昭42.10.19民集21巻8号2078頁)があり、権利能力なき社団には当事者能力が認められるのが通説である。民法上の組合の当事者能力の有無に関しては争いがあるが、組合に当事者能力を認めた判例(最判昭和37・12・18民集16...