中央大学法学部通信教育課程
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201904-1
(1) 天皇陛下、外国人、法人を納税義務者とすることの可否。
国民が支払う租税は、国家が国民に与える行政サービスの対価であるとする租税利益説の
立場では、このような行政サービスを受けうる者は国籍、門地、自然人・法人の別によら
ず、すべて納税すべきと考えられる。憲法が 14 条 1 項で「国民の」法の下の平等を保障し
ているが、外国人についても、 基本的人権尊重及び国際協調主義を基本理念とする憲法の
精神に照らし、参政権等性質上日本国民のみを対象としている権利を除き、基本的人権の
享有が保障されている。当然、行政サービスの享受も国籍により差別されない。従って、
行政サービスの対価としての納税義務があると解する。法人についても自然人同様、憲法
第三章に定める国民の権利および義務の各条項は、性質上可能なかぎり適用すべきものと
解することができる。また、天皇陛下につき、所得税法 9 条の規定を除いては、天皇陛下
をはじめとする皇族に対する人的非課税の規定は存在しない。さらに、憲法...