第三課題C評定です。時効と対抗要件です。
中央大学法学部通信教育課程
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201904-1
1 Eの主張について
EはBに対して、甲土地の所有権に基づく明け渡し請求をすることが考えられる。
(1)Eの甲土地所有権を基礎づける権限は、甲土地所有者であったCを相続したDから
の甲土地譲渡である。
(2)後述のとおりBは時効取得を主張することが考えられるが、Bは甲土地の登記をし
ておらず、177条の「第三者」にあたることから時効取得を登記なくしてEに主張で
きないと主張することが考えられる。
ア そうすると、177条の第三者にBがあたるといえるか、仮にBが177条の第三
者にあたるならば、Bは時効取得の要件を満たしていたとしても登記がないためEに対
抗することができないため問題となる。
イ この点、時効による権利の取得は、前主の権利がそのまま承継移転する趣旨ではな
く、長期間の占有を尊重して一定の要件を満たした場合に、権利の原子取得を認める
趣旨である。そうである以上、直接、時効取得者と所有者の間で物権変動が生じるも
のではないから物権変動の直接の当事者間では...