【慶應通信】フランス文学 ロマン主義演劇とは【エルナニ】

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    資料紹介

    古典主義との対比を含めて、ロマン主義とは何かから、ロマン主義の先駆けである『エルナニ』を取り上げて、より具体的に劇作法と詩法の視点からを説明している。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    十九世紀のフランス文学Ⅰ
    はじめに
    ロマン主義演劇の特徴を述べる上で、まず古典主義との対比を含めて、ロマン主義とは何かを
    説明する。次にロマン主義演劇とはどのような特徴を持っているのかを述べた上で、ロマン主義
    の先駆けとなったとされる『エルナニ』を取り上げて、より具体的に劇作法と詩法の視点から述べ
    ていくことにする。
    ロマン主義とは
    ロマン主義とは、18世紀の終わりから19世紀の始めにかけてヨーロッパ、主にイギリス、ドイ
    ツ、フランスを中心に広まった文学や芸術、思想などの自由、解放をうたったものである。古典主
    義の形式である合理化の進んでいく社会を否定し、想像力や感性といった抽象的なものを肯定し、
    自己の自由とその解放を追及しようとした動きである。情熱的な愛や自然へのあこがれなどを主
    体とした、主観的で感受性を伝える作品が多く展開された。
    時を同じくして生まれていた新古典主義が均衡の取れた美を追求したのに対し、ロマン主義は
    個性の美を追求し、古典主義の様式からの自由を求めた。ロマン主義とはこうした形式を重んじ
    る古典主義に対する拒絶反応とも取ることができる。ロマン主義は、古典...

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