排尿のメカニズムと老化による変化
Ⅰ.排尿の生理
下部尿路の神経機構
膀胱はおもに骨盤神経(副交感神経)、下腹神経(交感神経)、陰部神経(体性神経)に3種類がある。膀胱は主に骨盤神経により、内膀胱括約筋は下腹神経により、外膀胱括約筋は陰部神経により支配されている。
尿意は骨盤神経と下腹神経を介する。骨盤神経と陰部神経は仙髄神経から、下腹神経は胸髄下部と腰髄上部から出ており、これらの末梢神経系を統合しているのは脳幹排尿中枢であり、それをさらに高次のレベルで支配しているのが前頭葉の排泄中枢である。
メカニズム
腎臓で生成された尿は、尿管の蠕動運動により、膀胱に移送される。
排尿は脊髄(腰髄、仙髄)に存在する槐の排泄中枢における反射運動と。大脳および脳幹に存在する上位の排尿中枢におけるコントロールによっておこなわれている。
尿量が増加し、受容器を刺激
膀胱内圧は、膀胱壁が柔軟であるために尿量が増加しても、反射的に膀胱壁が弛緩し、しばらくは内圧の上昇はわずかである。しかし、尿が100~150ml.貯留すると、膀胱壁の圧受容器が刺激される。
刺激が仙髄へ
膀胱壁の圧受容器の刺激は、求心...