2018年度-2019年度佛教大学通信教育課程の合格リポートです。すべてAもしくはB判定を受けています。
科目コードが違っていても設題が同じであればお役に立てると思います。あくまで参考程度になされますようお願い致します。
設題:第三章「知識の問題」第一節「認識の意味」の内容を要約せよ。そして、テキストの内容に即して、自分のコメント・批判を加えよ。
第三章「知識の問題」第一節「認識の意味」の内容を要約せよ。そして、テキストの内容に即して、自分のコメント・批判を加えよ。
テキスト第三章では知識や認識について様々な先人の考察を挙げている。第一節ではプラトンの『ポリティア』(『国家』)を取り上げ、認識について説いている。本リポートでは、『ポリティア』に記述されたプラトンの認識論をまとめ、それに対し自らの意見を述べていく。
一口に認識といえども、そこには様相の違いがある。人間のもつ感覚器が受容した情報である感覚的認識と普遍的・妥当的な知識としての認識、つまり理性的認識とがある。感覚は一時的かつ個人的であるので、その瞬間、その個人にとっては確実な真実であっても、真に認識であるとはいえない。一方、理性的認識は真に存在をとらえることができるとされる。では、この真なる認識とは一体何であるのか。
プラトンは認識について、『ポリティア』第7巻にて洞窟の譬えを用いて表現している(図1)。洞窟内では囚人は前方の壁しか見ることのできない状況にある(図1:右の人物)。彼らの後ろにも低い壁があり、壁沿いに他の人々が様々な模像を掲げて話をしながら歩いている(...