歌川広重と葛飾北斎
小学生の時に 永谷園 のお茶づけ海苔に入っていたオマケ、歌川広重の<東海五十三次>を集めるのがきっかけで、美術にあまり縁のない僕でも広重の作品は鑑賞することがありました。そして、後期の授業を振り返って、広重とならんで浮世絵の巨頭として、その作品の迫力が今でも心に残っている葛飾北斎の2人をとりあげようと思います。
2人が描いた作品のなかで北斎の「富嶽三十六景」と広重の「東海五十三次」の2つの風景版画は、個人的には「浮世絵といえばこの二作品」というくらい美しく有名な作品だと思います。実際授業で浮世絵版画の工程をみたときに、彫師、絵師、摺師の技によって美しい「富嶽三十六景・凱風快晴」が完成していくのを見たときは感動でした。
これら風景版画は浮世絵の題材の中でも、人気のあったカテゴリーだと言われています。2人の絵師が活躍した江戸後期は、お伊勢参りなど、一種の旅行ブームであったのが関係しているようです。その中でこれらの浮世絵は、今でいう旅行ガイドブックや名所案内のような役割を果たしていました。そのため、両作品に描かれている風景も東海道や江戸・京都など似たような場所が多く、北斎...