中国の農業
中国は全人口の6割以上が農村に住み、全就業者の5割弱が農業をしている。いわば、中国は農民国である。
1980年代初め、中国は農業生産請負制が導入され、人民公社にかわる家族営農制度が確立した。農業生産請負制の政策によって、農民の勤労の意欲を引き出され,農生産物の増収、農村の繁栄がもたらされた。農業生産請負制は、中国にとって大きな転換と言える。
中国農業の概況
国民経済における農業の地位は、国内総生産に占める農林水産業の割合は2000年に約17%であった。それに対して、農業従事者および農村人口の対全体比率は同年にそれぞれ50%と70%であった。それはほぼ70年前の日本農業の姿と重なって、「世界の工場」として注目されている中国はいまだに農民国家という側面も併せ持っている。
農業経営の基本制度
中国の農業経営の基本制度といえば、1980年代初めまでの2,30年間、農業の経営は人民公社体制下で集団組織によって行われた。農民は単なる農業労働者であった。農業改革後の農業経営は農地の集団所有制の下で家族によって行われている。アジア各国の広く見られる家族経営の姿が中国農村に再現した。...