2019~2022年度課題合格リポートになります。
日本固有の宗教である神道は、三世紀末の古墳時代から時代と共に様々な形態が分類し
、形成されてきた。その形態を分類し、それぞれの思想的特徴を述べていく。
三世紀末ごろから六世紀半ばごろまでの神道は、その信仰対象がカミ(神)であった。
神は海や山、樹木、大地などに宿る自然神、偉人や英雄が神格化される人間神、万物の創
造や根源としての観念神、など多くが存在し、それらを八百万神として崇拝した。神は超
自然的・神秘的な力を発揮し、人々に畏敬の念を抱かせるものであった。この神道初期の
「古神道」は特定の教祖がなく、自然発生的なものを信仰するという思想的特徴を持つ。
六世紀半ばに仏教が伝来し、当初は神と仏の間にはっきりとした区別はなかったものの
、奈良時代に入ると、神道の神々は仏法を守護する「護法神」や、神々自身が仏法によっ
て仏の悟りの世界に到達したいと切望しているとした、「神身離脱」という思想が現れた。
さらに平安時代に入ると、「本地垂迹」という思想が現れる。「本地垂迹」とは神の本体は
仏であり、神は仏の仮の姿であるという思想である。神と仏の融合が始まったこの時代の
思想的特徴は、「神仏習合...