性別役割分業

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    『性別役割分業』
    性別役割分業とは、「男は仕事、女は家庭」 という考え方に代表される概念である。その 基礎となっているのは、妊娠・出産・哺乳と いう女性の生理的機能である。しかし、育児 や掃除、洗濯、高齢者介護などの家事をもっ ぱら女性が担うことは、こうした生理的機能 の差異だけでは説明がつかない。なぜ、この ような性別役割分業が存在するのだろうか。
    歴史的にみると、戦後、明治民法において 制定された家制度が廃止され、高度経済成長 期になって広く一般化した。産業革命によっ て工業生産力が発展し、人々が企業に雇用さ れて働くようになると、より効率のよい方法 として、男性が長時間外で働き、その労働力 の再生産のための家事労働を女性が担うとい う性別役割分業が確立した。
    この性別役割分業は、近代の資本制にとっ て非常に都合のよいシステムであったため、 次第に強化され揺るぎないものとなっていっ た。家事労働とは、家族が一日の労働で消耗<400> した体力なり機能を回復し、次の労働力を生 み出すという、家族の生活維持のために不可 欠な労働であるが、そのタダである家事労働 に依存して、労働力を再生...

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