【実験目的】
《ニトロベンゼンに関して》
ニトロベンゼンとは何かその役割について考える。
ニトロベンゼンの化学反応の過程を考える。
《実験操作について》
有機物を扱う点での注意事項を理解し、その上で実験を行う。
《例》アントラキノンという物質は硝酸だけではニトロ化されないが、硫酸との混酸になると低温で反応が進む。 危険の伴う作業を含んでいるため、安全には十分に気をつけて、実験の要領を習得する。
強酸を2つも使うために、やけどなどの怪我がないように注意すること。
【実験理論】
ニトロベンゼン
《ニトロベンゼン》
物質:ニトロ化合物のひとつで、ベンゼンをニトロ化*したもの
⇒詳しく: ベンゼン環のひとつの水素がニトロ基と入れ替わったもの。
性質:
物理的性質:大部分の有機溶媒に易溶で、ジエチルエーテルやベンゼンと任意の割合で温和する。水にはわずかに溶解するだけで、優れた有機溶媒である。しかし、人体に非常に有毒な物質であり、発がん性物質である。
化学的性質:
求電子条件下での置換反応:ベンゼンよりも遅く、ニトロ基に対してメタ位で優先的に起こる。ハロゲン化、スルホン化、ニトロ化を受けるがFriedel-Crafts反応には不活性である。
求核的条件下での置換反応:ニトロ基はo-、p-位置換を促進する。ニトロ基の還元によるアニリンの合成は重要な物質であり、一般に気相でニトロベンゼンを接触水素化させるか溶液中で鉄分を希塩酸で行う。反応条件によっては生成物が異なる。
構造:ベンゼン環のうちの一つの水素がニトロ基と入れ替わって置換反応をしたもの。沸点は210℃から211℃くらいである。
*nitronic(ニトロ化):ある物質にニトロ基がくっついたもの
《歴史的背景》Martinsenのニトロベンゼンの混酸によるニトロ化反応があった。 もし、加熱する温度が高すぎてジニトロベンゼンが出来たとするなら、それは次の化合物である。
名前:1,3-ジニトロベンゼン〈m-ジニトロベンゼンともいう。〉 性質: 水に溶けにくく、水よりも重い物質で水に沈み、有毒である。 →このため、酸の層とベンゼン層の2つに別れる。(当然のことながら、酸の層がベンゼン層より下に来る。) ベンゼンは付加反応は起こしにくいが置換反応なら起こし易いので、安息香酸メチルなどの化合物から生成する方が生成し易い。 →安息香酸メチルから置換してニトロ化する方法がある。 不活性基で、メタ配向である。 理由:o-,p-配向性だとベンゾノニウム中間対に一つが、正電荷を持ち、反発し合うため、m-配向性の方が安定であり、生成されやすい。 →反応が遅い。 正に荷電する共鳴構造がないため、電荷密度が最も高い。 →メタ位にニトロ基が付く。 《ニトロ化》
〈現代社会に置いて〉
工業的に、染料中間体、溶剤、医薬、農薬、爆薬などの製造に置いて最も重要な単位反応の一つである。 大きく分けて次の2種類の方法がある。
直接ニトロ化:ニトロ化剤*によりニトロ化させること。 気相法 ⅱ.液相法 ⅲ.活性メチレンのニトロ化
ニトロ化剤とは、ニトロ化させる物質で、次のようなものがある。 ① 硝酸 ② 硝酸と硫酸の混酸 ③ 無機硝酸塩―硫酸 ④ 酸化窒素
⑤ 有機硝酸エステル ⑥ 五酸化二窒素
間接ニトロ化:水素以外の原子または原子団をニトロ基と交換させること。 ① ハロゲン化アルキルと亜硝酸銀との反応
② ハロゲン化アルキルと亜硝酸ナトリウムとの反応
③ ά-ニトロカルボン酸の脱炭酸
【実験目的】
《ニトロベンゼンに関して》
ニトロベンゼンとは何かその役割について考える。
ニトロベンゼンの化学反応の過程を考える。
《実験操作について》
有機物を扱う点での注意事項を理解し、その上で実験を行う。
《例》アントラキノンという物質は硝酸だけではニトロ化されないが、硫酸との混酸になると低温で反応が進む。 危険の伴う作業を含んでいるため、安全には十分に気をつけて、実験の要領を習得する。
強酸を2つも使うために、やけどなどの怪我がないように注意すること。
【実験理論】
ニトロベンゼン
《ニトロベンゼン》
物質:ニトロ化合物のひとつで、ベンゼンをニトロ化*したもの
⇒詳しく: ベンゼン環のひとつの水素がニトロ基と入れ替わったもの。
性質:
物理的性質:大部分の有機溶媒に易溶で、ジエチルエーテルやベンゼンと任意の割合で温和する。水にはわずかに溶解するだけで、優れた有機溶媒である。しかし、人体に非常に有毒な物質であり、発がん性物質である。
化学的性質:
求電子条件下での置換反応:ベンゼンよりも遅く、ニトロ基に対してメタ位で優先的に起こる。ハロゲン化、スルホン化、ニトロ化を受け...