大学生の学力低下問題

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     近年、大学生の学力低下が問題視されている。
     1998年から2年度にわたって、大学生の数学学力調査が行われた。この調査で扱われた数学問題の内容は、中学校レベル・高校1,2年レベルである。結果はニュースでも取り上げられたほど、大学生の学力低下が深刻な事態となっていることがわかった。たとえば、問題①「{1+(0,3-1,52)}÷(0,1)2」の最難関国立大学の正解率は、文系全体では73%、文系(数学受験あり)では77%、文系(数学受験なし)では33%、理系では91%であった。この問題①は中学生レベルの問題である。学力低下は大学に限らず、小学校、中学校、高校にも原因があるようだ。日本では1980年から1981年にかけて「ゆとり教育」が導入されて以来、約10年ごとに学習指導要領が改正されている。そのたびに、授業時間、教科書内容の削減が行われてきたのだ。
     大学生の学力低下により問題となるのは、大学卒業後、社会にでてからである。日本の大学は卒業しやすいが、アメリカの大学は卒業するのが大変だとよく言われる。「国際競争の社会」ということを考えると、日本の大学生の学力低下はより重要な問題となる。社...

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