評価:S
1発合格レポート
課題名:
「対人認知の歪み」「社会的推論の歪み」「自己認知の歪み」の中からひとつを選び、具体例を添えて解説しなさい。
参考文献:
グラフィック社会心理学・第2版、池上知子、遠藤由美(共著)、サイエンス社、2012年2月25日
社会心理学小辞典、古畑和孝(編著)、有斐閣、1997年7月30日
他者を知る・対人認知の心理学、山本眞理子、原奈津子(共著)、サイエンス社、2006年4月25日
第1課題 第1設題
人間の対人行動や集団行動、すなわち、社会的行動に関する心理学的法則を解明する学問である社会心理学の見地から、「対人認知の歪み」について解説する。
一般的に人間は、自身が日々出会う他者について、その人がどのような人物なのかを知ることに強い関心をもっている。人間関係をより円滑に営むためには、相手の考え方をよく理解し、その人がどのような場合にどのような行動をとるか正確に予測できるようにしておく必要があるからである。その場合、他者の容貌や行動、あるいは第三者から寄せられる風評などに注目することになる。そうしたものを手掛かりにして、他者の内面にひそむ情動や意図、さらにはもっと永続的なパーソナリティ特性などを推論しようとするのである。これを社会心理学の観点から「対人認知」という。しかし多くの人は、他者をあるがままに見るのではなく、様々な方向に歪めて見てしまう傾向にある。近年、こうした歪みを生起させている認知的メカニズムに関心が向けられているが、その中でとりわけ研究が活発になされているものを3例挙げて、以下に記す。
「期待効果」。見る側に先入観や期待があると対人認知が歪...