<はじめに>
学習指導要領は部分的な改正をのぞき、戦後から今まで8回公表されており、時代ごとに区分していくと、①1947年・1951年の経験主義・児童中心主義によるカリキュラムの影響の強い時代、②1958・1968年の系統主義・学問中心主義によるカリキュラムの影響が強い「教育の現代」の時代、③1977・1989・1998年の人間性を重視した「ゆとり教育」の時代、④2008年の基礎・基本の重視と思考力・判断力・表現力等の活用を重視し、学習意欲を高めようとする時代、という大きく4つの区分に分類することができる。本レポートでは、これらの学習指導要領について各時代背景、学習指導要領の特色、効果と課題について考察し、現学習指導要領への理解を深めることとする。
①1947(昭和22)年・1951(昭和26)年の学習指導要領
この時代の学習指導要領の特徴は、児童中心主義・経験主義による影響を大きく受けている点である。この時代は、戦後GHQの統治下にあった日本が民主国家・文化国家への道を歩み始めた時代であり、1947(昭和22)年の学校教育法の施行に伴い、教育課程の基準として「学習指導要領一般編...