B判定合格をいただいたレポートです。ご自身の学びにご活用ください。
『第二章「存在の問題」第一節「存在の意味」の内容を要約せよ。そして、テキストの内容に即して、自分のコメント・批判を加えよ。』
アリストテレスにとって「存在としての存在」の原理・原因を研究する学は、他の諸学と区別して第一哲学(存在論、形而上学)と呼ばれる。先ず、存在を全体としてみるとき、存在は「付帯的存在」「本質的存在」「真としての存在」「可能態・完全実現態」としての存在に分類せられている。第一の付帯的な存在とは、例えば「意地悪いものは人間である」というように、基本的な存在の主語と何らかの属性を表す述語との一時的、偶然的な結びつきに於ける「在る」である。この付帯的な存在に於いては、その原因もまた付帯的である故に、ここでは学問的探究は成立しない。第二の本質的な存在とは、主語と述語との必然的な結びつきに於ける「在る」である。それは述語形態(範疇)即ち、実体・性質・分量・関係・能動・受動・場所・時間を示す「在る」である。例えば、「歩いているのはソクラテスである」の「在る」を一般化していくと、「ソクラテスは人間である」となり、更に進めると、「人間は動物である」となり、更に「動物は実体である」と...