佛教大学通信課程P6103英語学概論 第1設題、第2設題のセットになります。
第1設題、第2設題共にA判定を頂いております。
レポートの参考としてご利用してください。
第1設題
英語と日本語の移動動詞に関して、文法構造または意味構造上とくに有意な差が生じる部分について日英語を比較対照し、両者の違いをデータに基づいて具体的にかつ一般性のある形で論ぜよ。
第2設題
英語の前置詞aroundの多義構造を十分な一次資料に基づいて明らかにしなさい。
英語と日本語の移動動詞に関して、文法構造または意味構造上とくに有意な差が生じる部分について日英語を比較対照し、両者の違いをデータに基づいて具体的にかつ一般性のある形で論ぜよ。
動詞を分類する際、主体の位置を変えるような動作・作用を表す動詞、つまり移動を伴う動きを表す動詞を「移動動詞」という。移動動詞については、特にTalmy(1985)のタイポロジー(言語の類型)についての研究以来活発な議論がなされてきた。Talmyは多数の言語において移動を表す表現がどのようなものかを調査し、移動動詞が移動の意味を表すのは当然だが、言語によって移動とは別の意味要素を含んだ語彙化が行われていることを確認した。Talmyはこのようなことを「融合」と呼び、その組み合わせにより言語を大きく2つのタイプに分類した。それは「移動と経路の融合」のタイプと「移動と様態または原因との融合」のタイプである。このことに焦点を当て、日本語と英語の移動動詞に関して文法構造または意味構造上の違いについて考察していきたい。
諸言語には文法や発音等様々な違いがあるが、それらの言語の特性を最もよく表すのは文の核である動詞にどのよ...