「セクハラの懲戒に対する請求と認否について」2000字で論じています。
【労働法】
Y社が就業規則に基づき、X1及びX2に対し、セクシャルハラスメントを理由に出勤停止の懲戒処分とし、資格等級を降格し、賃金を減額した。X1及びX2はY社に対し、どのような請求ができるか。また、これは認められるか。
X1及びX2がY社に対し、本問の懲戒処分について何らかの請求をするとすれば、X1及びX2のセクシャルハラスメント行為に対する懲戒処分が、人事権の濫用にあたり、無効あるいは不当であるとして、処分の取消を求め、また、降格と減給は無効あるいは不当であるとして、降格の取消を求め、減額された賃金分の損害賠償請求を行うことが考えられる。
雇用機会均等法11条は、セクシャルハラスメントを防止するために、使用者が雇用管理上必要な体制の整備その他の措置を講じなければならない、と規定している。この措置の具体的内容については、平成18年厚労告615号の指針が出されており、同指針によれば、必要な措置として、①セクシャルハラスメントに関する方針の明確化とその周知・啓発、②相談に応じ適切な対応をするための体制の整備、③事後の適切かつ迅速な対応、の3点が求められている。そして、セクシャル...