日大通信 平成29・30年度報告課題 民法Ⅱ(分冊1)の合格レポートです。
平成29・30年度報告課題 民法Ⅱ (分冊1)
相続による不動産の物権変動につき登記は必要か。共同相続や遺産分割、相続放棄など、いくつかの異なる場面を想定しながら論ぜよ。
(キーワード)共同相続と登記、遺産分割と登記、相続放棄と登記
【参考文献】
民法③ 親族法・相続法 我妻 榮, 有泉 亨, 遠藤 浩
相続による権利変動は、人の死亡という事実によって生じるものであり、法律行為に基づかない権利変動である。戦後、家督相続が廃止されて死亡相続しか認められなくなったため(882条)、被相続人の相続後の処分と相続人の相続による権利取得とが矛盾衝突するという事態は生じなくなった。しかし、その反面、相続の形態が、共同相続を原則とするので、共同相続人間での相続財産の帰属と、相続人から相続財産に関する権利を取得した第三者との間で紛争を生じることとなった。以下では、この問題を相続の諸種の形態の中で検討していく。
(1)共同相続と登記 被相続人Aを共同相続した相続人B、Cのうち、Cが書類を偽造して自分だけが単独相続したように登記し、不動産を第三者のDに譲渡した場合BはDに対して登記なくして対抗するこ...