2003年から始まり、毎年10%を超える高度成長を続ける中国経済が今、転換点を迎えようとしている。欧米との貿易摩擦を引き起こすほど輸出による貿易黒字を伸ばす一方で、中国国内での需要に伸び悩んでいるのだ。
中国では1990年代前半に設備投資ブームが発生し、製造業の生産能力が大幅に拡大した結果、90年代後半には外部需主導型で経済が拡大し、輸出増加により貿易黒字が定着化した。それに反して国内の需要はそれと同時に伸び悩み始めたが、実際に国内での消費財の需要供給を見てみると、全体466品目ある工業製品のうち供給が過剰しているのは421品目、需給均等なのは45品目、供給不足なのは0品目、農業生産財に至っては全体32品目のうち32品目全てが供給過剰と、生産過剰需要不足の状態が明らかに見て取れる。今後もこういった外部需要依存の経済状態が続くと貿易摩擦や人民元切り上げの圧力がさらに顕著になる可能性があり、経済を内部需要主導型に移行していく必要があるが、一体なぜ13億をも超える人口を要する中国において、内部需要のみが置いていかれてしまっているのだろうか。
中国、内需拡大が加速しない理由
2003年から始まり、毎年10%を超える高度成長を続ける中国経済が今、転換点を迎えようとしている。欧米との貿易摩擦を引き起こすほど輸出による貿易黒字を伸ばす一方で、中国国内での需要に伸び悩んでいるのだ。
中国では1990年代前半に設備投資ブームが発生し、製造業の生産能力が大幅に拡大した結果、90年代後半には外部需主導型で経済が拡大し、輸出増加により貿易黒字が定着化した。それに反して国内の需要はそれと同時に伸び悩み始めたが、実際に国内での消費財の需要供給を見てみると、全体466品目ある工業製品のうち供給が過剰しているのは421品目、需給均等なのは45品目、供給不足なのは0品目、農業生産財に至っては全体32品目のうち32品目全てが供給過剰と、生産過剰需要不足の状態が明らかに見て取れる。今後もこういった外部需要依存の経済状態が続くと貿易摩擦や人民元切り上げの圧力がさらに顕著になる可能性があり、経済を内部需要主導型に移行していく必要があるが、一体なぜ13億をも超える人口を要する中国において、内部需要のみが置いていかれてしまっているのだろうか。
その理由につ...