適切なリハビリをいつどのように行うかによって、患者さんのその後のQOL(生活の質)は大きく変わってきます。
このレポートでは、脳血管障害(脳梗塞、脳出血など)で片麻痺になった人へのリハビリテーションについてまとめました。
本文1,405字 (評価:優)
『脳血管障害による片麻痺をもつ人のリハビリテーションについて。』
『脳卒中』とも呼ばれる脳血管障害は、悪性新生物(がん)、心疾患、肺炎に次いで、現在日本人の死亡原因の第4位を占めている(厚生労働省「平成24年人口動態統計」より)。脳血管障害は、脳血栓や脳塞栓などの“脳梗塞(血管が詰まるもの)”と、脳出血やくも膜下出血といった“脳出血(血管が破れるもの)”の2つのタイプに大きく分けられる。
脳梗塞や脳出血を発症すると、脳に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなり、最終的には脳の細胞が部分的にダメージを受けることとなる。その結果、程度の差はあるものの半身不随や言語障害など何らかの後遺症が残ることが多く、発症を機に寝たきりとなる原因のトップにもなっている。
脳血管障害の後遺症でもっとも多く見られるのが運動障害で、現れる症状の殆どが『片麻痺』である。これは、障害された脳とは反対側の上下肢において麻痺が起こるというものだ。片麻痺のリハビリテーションは、急性期、回復期、維持期という3つの段階に分けられ、その時の状態や目的によって行うケアが変わってくる。
最初に行われる急性期のリハビリは、予後に大...