科目コード07809「児童理解と教育相談」第2分冊
教育相談の啓発・予防・治療についてそれぞれの段階で教員がすべきことについて論じていきたいと思う。まずはじめに、啓発とは「健康モデル」であり、心の健康問題を引き起こさないための素地作りを指す。啓発は児童の心の発達に関する理解ができた上で行うことが重要である。
例えば、教室でできる啓発活動の一つとして、国語の授業の中で物語を読むことが共感性を発達させ、他にはいじめの傍観者になってしまう児童がいる場合、「対立を解消するスキル」を身につけるためホームルームの諸活動を通じてそのトレーニングを行うことができる。
教員はその担当学年の年齢に見合った発達を常に把握し、遅れが見られる児童には補償の教育を行う必要がある。また、発達が進んでいる児童にはより安定した発達を促してロールモデルとして活躍できる場を与えるとよい。
次に予防について説明していきたいと思う。予防は問題の早期発見として、児童の心の問題が悪化することを防ぐということである。
その具体的な方法として(1)注意力が散漫な児童に対しては黒板など教室にある過剰刺激物の除去や、いじ...