「行政活動の手続的規制を行う意義・目的と行政処分手続きについて」2000字で論じています。
1. 行政活動の手続的規制を行う意義・目的
行政と国民の法的関係においては、国民の権利や利益を保護するために、行政活動が法律に適合しているという実体法的観点のみならず、適正・公正な手続きを踏んで行われ、国民の手続的権利が正しく保障される必要がある。
すなわち、法治主義に則り、行政活動を法律によって制御し、法律に適合しない行政活動を事後的に裁判等でチェックするとともに、適正手続の原則によって、ある行政作用に利害関係を有する国民が、自己の権利を手続き的に防御し、多数の国民の利害が関わる行政作用について、手続的に国民の合意形成を図るという、両側面がともに機能することが求められる。
行政手続の憲法解釈上の根拠について、①憲法31条説、②憲法13条説、③手続的法治国説がある。①は、憲法31条の定める適正手続の保障が、行政手続にも適用ないし準用されるとする。最高裁平成4年7月1日判決(成田新法事件判決、民集46巻5号437頁)もこの説を採用している。②は、基本的人権が侵害される場合には適正手続が要請されると捉え、新しい人権としての手続的権利を設定することを志向する。③は、法治国原理を手続法的...