<課題> 図画工作科教育で求める資質や能力
1.造形的な表現活動の意義や役割を「美術による教育」などの文言にも着目して明確に述べ,図画工作科の目標や構成する内容などについて具体的に明らかにしなさい。(1000字)
2.図画工作科の学習を通して資質や能力を高めるために,各学年の目標や内容を明らかにし,指導に当たっての配慮事項などについて自らの体験を加えて考究しなさい。(1400字)
※28年度課題
〈批評〉課題1は文言に即して誠実に記述されています。課題2は自分の体験を効果的に引用して説得力のある論述になっています。
科目コード08808「図工科指導法」第1分冊
<課題1>
造形的な表現活動では,児童が形や色,材料などを用いてかいたりつくったりすることで自らの内にあるものを外に表出していく。人やものと関わりの中で感じたことや思考など,自らの心の動きの表現には感性だけではなく知性も必要である。造形的な表現活動は両者の調和のとれた人間形成に寄与し,他の人の作品を見て様々な思考に触れることで他者理解を深める役割もあると言える。
また,美術教育は,美術の専門的な知識や技能・技術を身につける「美術の教育」と,美術の持つ教育的な機能を生かして人格の陶冶を図る「美術による教育」とに分類される。先人たちが提言した児童主体の教育観からも美術教育が児童の人間形成に深く関わっていると言えるように,造形表現では,「自分らしさ」の表現を通して児童の人格形成を行う意義がある。
次に,図画工作科の目標は,「表現及び鑑賞の活動を通して,感性を働かせながら,つくりだす喜びを味わうようにするとともに,造形的な創造活動の基礎的な能力を培い,豊かな情操を養う」とある。児童は,身近な人やものに自ら働きかけたり働きかけられたりしな...