精神保健福祉士養成通信課程レポートです。
科目名『精神保健の課題と支援』
B評価、1800字程度
学習のポイント
・精神の健康についての基本的考え方と精神保健学の役割、現代社会における精神保健の諸課題と、精神保健の実際及び精神保健福祉士の役割、精神保健を維持、増員するために機能している専門機関や関係職種の役割と連携、精神保健の現状と対策について理解する。
参考文献
・新・精神保健福祉士養成講座 第2巻「精神保健の課題と支援」第2版、中央法規出版
・土井健郎著、『人間の障害と心理、異常心理学講座3』、みすず書房
現在、我が国の社会構造は急速に変化しており、その中で精神保健に関する様々な問題が生じている。本稿では、現代の日本の精神保健の課題を挙げ考察する。
精神保健とは、人々の健康のうち、精神面の健康を対象として、精神障害を予防また治療し、精神的健康を保持増進させる諸活動のことである。WHO憲章では、「健康とは、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態であり、単に病気や虚弱がないことではない。到達しうる最高基準の健康を享有することは、人種、宗教、政治的信念又は経済的若しくは社会的条件の差別なしに万人に有する基本的権利の一つである」と健康を定義している。つまり、健康とは単に「病気でない状態」と同義ではない。同様に、精神面の健康も、精神疾患に罹患しているか否かということにとどまらず、精神疾患や精神障害の予防、また治療により精神的健康を保ち、増進させていくことが社会的責務として課せられている。このように、精神保健は広義にすべての人々を対象としており、その一人一人が精神面での健康を保持・増進させていくことである。また狭義には、精神面での健康を崩した人を対象とし、早期発見・早期治療のもと、その人たちが...