古代ギリシャの自然哲学について述べよ。
古代ギリシャの自然哲学について述べよ。
古代ギリシア人の知識の多くはエジプト、バビロニア、エーゲの各文明から受け継いだが、宗教的・神話的なものの見方を脱して純粋に合理的な態度でものごとを理解する精神を確立し、それは人類共通の遺産になった。現在トルコ領のイオニア地方は古代ギリシアの植民地だったが、商業と中継貿易の中心地として栄えて、ギリシア本土より早く文明が開けた。そこに生まれたイオニア自然哲学は超自然的な存在者の威力による神話的思考ではなく、自然界内部に存在するものを説明原理とした。その共通の問いは「万物のアルケー(原理)は何か」であり、タレスは水、アナクシマンドロスは無限なもの、アナクシメネスは空気と答え、合理的思考の開始とした。
三平方の定理を発見したピタゴラスはイオニア自然哲学を学び、南イタリアで新興宗教オルペウス教に深く関与、学問と宗教が一体化した神秘主義的教団を組織した。彼と彼の弟子たちは全く書物を残さず、その思想の見定めは非常に困難であるが、不死の魂が罪を得て天上から地上に堕ち、永遠の罰として様々な生物に姿を変えて生死を繰り返す輪廻転生説を唱えた。永遠の罪を逃れ天上の...