片麻痺について
片麻痺の障害高齢者の地域ケアを取り上げる上で、まず、代表的な片麻痺の発生原因を挙げ、生活への影響を考える。
1.片麻痺
片麻痺は、一側上下肢の麻痺で、脳血管障害(高齢者に多い疾患)で起こることが多いとされている。脳卒中(出血あるいは梗塞によって、急速に片(単)麻痺などの顕著な機能障害をきたしたもの)
で、脳血管の障害により、脳の障害部位とは反対側の麻痺を残すことが、片麻痺の主とされる発生原因である。
運動障害として片麻痺が1ヶ月以上続く患者は全体の約50%であり、多くの人が肩の痛みに悩まされる。上肢麻痺になると、肩の筋力低下のために肩の関節が亜脱臼の状態になり、上肢をぶらぶらさせながら歩行すると痛みが生じるので、腕の運動を控えるようになり、その結果、運動不足となって肩関節のみでなく、足関節さらには股関節にも拘縮が起こって、廃用(本来の機能が駄目になる)をきたしやすい。
麻痺の回復は発症後1ヶ月間が大きく、その後はなだらかになり3ヶ月以降の回復は少ない。
慢性期になって片麻痺が残った場合、下肢の運動はある程度回復して短下肢装具や杖を使用すれば、歩行が可能にな...