プラトンの「イデア論」について説明し、それが自分にとってどのような意義や関わりを持っているかを述べなさい。
イデアとは目で見ることができず、他のいかなる感覚(知覚)によってもとらえることのできないものだと言われている。つまり、魂の目で見ることができる「物の本質」と言うべきものなのである。
例えば、日本のきもの職人は、人が着る衣料としての「きもの」を作るものであるが、その形、色、デザイン、刺繍、染め方などは、制作する人によりまるで違ったものになる。
職人が初めて制作にとりかかる「きもの」であっても、その初の試みは、作る前から「きもの」であることは職人自身が、分かっているはずである。それは、きもの職人が「きもの」という存在の観念のようなものを、すでに頭の中にもっており、初めて制作にとりかかる、その「きもの」を制作することができたのだと考えることは、ごくごく自然のことであり、あたりまえのことでもある。
きもの職人が、何も考えず手を動かしていたら、たまたま綺麗な織物、反物の「きもの」ができあがってしまったなどということはありえないことであり、基本的には、観念なく「きもの」を作るということは...