ロマン主義とは何か、またその担い手たちはどういう意味でロマン主義的なのかをそれぞれ述べよ。
ロマン主義とは何か、またその担い手たちはどういう意味でロマン主義的なのかをそれぞれ述べよ。
ロマン主義とは、18世紀の終わりから19世紀の始めにかけてヨーロッパで主にイギリス、ドイツ、フランスを中心に展開された文学や芸術、及び思想などの自由とその解放を願う風潮であり、合理化の進んでいく社会に抗うように想像力や感性といった抽象的な物の優越を肯定し、古典主義の形式を否定し、自己の自由とその解放を追及しようとした動きである。このようにとても扇情的な動きであった為、絶望的な愛や情熱的な愛、そして自殺の決断や、超自然及び自然へのあこがれ等を主題とした、極めて主観的で感受性の鋭敏さをひしひしと伝える作品が多く出版された。このような現象は長い芸術伝統をもつ世界の諸地域の文学史にもしばしば見る事ができる。そしてこのヨーロッパで起こったロマン主義の背景には、自由と平等そして博愛を掲げたフランス革命の生んだ恐怖政治や、ナポレオンという独裁者の出現が挙げられる。また、産業革命で徹底的に合理性を追求し、鉄道や蒸気船などが生まれ人々の生活は激変の一途を辿る。しかしながら、その産業革命は農村の手工業に大打撃を与...