このレポートは相続における寄与分と特別受益者について述べています。
※このレポートは以下のレポートに収録されているものと同じ内容です。
慶応義塾大学法学部(通信)合格レポート集
http://www.happycampus.co.jp/docs/938478183489@hc15/122970/
■相続法
はじめに
本レポートでは法定相続と遺言自由の原則について検討していく。
第一章 法定相続とその問題
法定相続とは、被相続人によって相続分の指定がない時に、民法の規定(民法900条、同901条)に基づいて相続権者の相続分が決まることを言う。しかしながら法定相続を機械的に適用したことによって、かえって相続人間の平等が保障されないことがおこりうる。よってその修正が必要となり、具体的には、被相続人から生前に贈与を受けていた相続人についてはその分の控除を、また被相続人の財産の増加や維持について特別の寄与をした相続人についてはその分の加算を考慮する必要があるだろう。
この章では、そのような相続人間の衡平を図るための制度――特別受益と寄与分――を検討していきたい。
1.特別受益
a.特別受益とは
共同相続人の中で、被相続人から特別に遺贈を受けた者、および、婚姻・養子縁組のためや生計の資本のために贈与を受けた者を特別受益者という。そしてその者が相続を受ける際、被相続人から貰った遺贈・贈与分の価格が控除される仕組みがある。これが特別受益の制度である(民法904条)。
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