『事例で学ぶ民法演習』 解答 11

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    資料紹介

    『事例で学ぶ民法演習』の解答です。本書は、北海道大学の教授陣による民法の演習書です。本書は、家族法を除く財産法の全てを網羅しており、旧司法試験や予備試験レベルの中文事例問題で構成されています。
     事例問題形式での民法演習書として本書の問題は完成度が高く、基本論点を総浚いするとともに、判例に則した見解で記述がなされており、現時点で、民法科目最高の問題集であります。
     充実した解答のついていない本書において、本解答は貴重なものであると思います。特に,答案を書くにあたり,受験生が苦手とする「事実の評価部分」が充実していますので、司法試験対策には非常に有用な内容に仕上がっております。
     そして、本解答は司法試験合格者に添削をしてもらった上で作成しているため、信頼できる内容になっていると考えます。 また、発展的な問題については、参考文献や参考資料を引用した上で作成もしておりますので、学習の便宜上、有意義な内容となっております。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    事例で学ぶ民法 第11問
    事案
    1 A→B 冷蔵庫の廃棄委託。
    2 A 回収のため空き地に冷蔵庫置く。Cも便乗して冷蔵庫を捨てる
    3 B 両冷蔵庫回収し、D所有の山林に不法投棄
    4 D 両冷蔵庫に各5万円を費やし危険防止措置を講じる。
    Q Dは、ACにいかなる請求ができるか。なお、B失踪
    第1 DのAに対する請求
     1 DのAに対する動産収去請求
    Dは、Aに対して業務用冷蔵庫の撤去をもとめるため、山林の所有権に基づく妨害排除請求権としての動産収去請求を主張することが考えられる。
    この場合の請求原因は、①Dが本件山林を所有していること、②本件山林上にA所有の業務用冷蔵庫が存在することである。
    (1)Aの反論
    Aは本件業務用冷蔵庫を廃棄すべく店の裏の空き地においていたのであるから、Aは本件業務用冷蔵庫の所有権を放棄しており、冷蔵庫の収去義務はないと主張することが考えられる。
    (2)Aの反論の当否
    確かに、所有権は財産権である以上、これを放棄することは可能である。
    しかし、398条のように抵当権設定者の権利放棄によって抵当権者を害することができないという規定があることからすると、法は、権利放...

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