会社法事例演習教材 第二版の解答です。問題は紛争解決編(第Ⅰ部)と紛争予防編(第Ⅱ部)に別れており、それぞれ12テーマずつ。会社法における最良の演習書であると考えます。
解答のついていない本書において、本解答は貴重なものであると思います。 そして、本解答は司法試験合格者に添削をしてもらった上で作成しているため、充実した内容になっていると考えます。 また、発展的な問題については、参考文献や参考資料を引用した上で作成もしておりますので、学習の便宜上、有効な内容となっております。
設問4-1
新株予約権(2条21号)…p424~、p722~参照
権利者があらかじめ定められた期間内に、あらかじめ定められた価額を振り込めば、会社から一定数の株式の交付を受けることができる権利。権利内容の性質上、株式の時価が上昇するほど、新株予約権者は利益を得る。
取締役に対し、インセンティブ報酬の趣旨で会社から新株予約権を付与されることを「ストック・オプションの付与」という。
新株予約権の発行に関わる規定は、①権利内容の決定(236)、②募集事項の決定(第三者割当が238、株主割当が241。239、240は238の特則)、③申込み(242。244は特則。)、④割当てを受ける者と数の決定(243。244は特則。)、⑤新株予約権者となる日(245)、⑥払込み(246)、⑦差止請求(247)という並びであり、手続もこの順序で進むのが原則か。詳しくはp724~735。新株予約権の行使については280以下に規定。
(1)
Q1:新株予約権を取締役の報酬として発行する際に、どのような手続が必要となるか?
Q2:ストック・オプションは、361のどの報酬にあたるか?
取締役の報酬として発行される新株...