学習指導要領の役割と平成20(2008)年度改定の学習指導要領の特色について論じなさい。
学校で学ばれる知識や技能はさまざまな理由より取捨選択され、学年ごとに配列され、教育課程が編成される。日本では、このような「いつ何を学ばせるか」ということを定めているものを「学習指導要領」と呼ぶ。学習指導要領は、教育課程の基準として国によって作成される。学習指導要領の法律としての位置づけには、いろいろなとらえ方があるが、現在では法に準ずる性格をもつと考えられ、法的拘束力があるとされている。そのため、学校で教師が授業を行う際には、この基準に沿った授業を実施することが求められる。そうでない場合、形式上は法令違反となる。ただし、法的拘束力が及ぶのは強行規定のみであるとし、助言的な意味合いをもつ訓示規定については法的拘束力が及ばないと考えられている。授業で使用される教科書もこの学習指導要領をもとに作成され、国の検定に合格したものが学校で使われることとなる。学習指導要領で扱われている内容をみると、教育課程編成の一般方針や授業時数の取り扱い、各教科における学年ごとの目標や内容についての記述が大半を占めており、...