佛教大学通信課程のレポートを作成する際に参考になれば幸いです。
【設題】
日本文学における「漢文」の特長を概説せよ。
添削担当者の評価を以下に示します。
【設題の把握】 十分
【テキストの理解】 十分
【評価】B
【所見】要点をうまく整理できています。
日本人が文字で言語を記すことを知るのは、4世紀末か5世紀初め、それ以降とされる。ここでいう文字とは、中国江南地方から学んだ漢字であった。現代において「呉音」と呼んでいる字音が、日本人が初めて知った文字の発音であった。宋書倭国伝において、倭の五王の世系に触れたのち、倭王武の上表文を記録している。また、倭王武の在世当時の文献は日本に残存していないが、
彼が史(ふひと)を置いて、韓人に記録を始めさせたとされる。その韓人は百済系の帰化人が最も多かったと考えられる。彼らはできる限り漢文に近い文体で記録をしたが、記録するべきは百済のことではなく、倭国のことであり、その文中には倭国の地名・人名が出てくる。これらの表記の方法として、倭国の地名・人名を漢字で音訳すこととした。
万葉歌人の山上憶良は、日本語の全部を漢字に音訳することを試みた。万葉集巻五において「宇利波米婆 湖藤母意母保由…」や反歌として「銀母 金母玉母 奈尓世武尓…」と記されている。今日ならば、平仮名に漢字を混ぜて、「瓜食めば 子ども思ほゆ…」や「白かねも 黄がねも玉も 何せむに…」と書くところであろう。「銀(しろかね)」「金(くがね...