『先住民族』を読んで
この本は、副題にもあるように、主として「コロンブス」と彼が侵略したアメリカ先住民族、いわゆる「インディアン」に着目して述べられたものである。第1から第7章までに分けられ、その中でインディアン、イヌイット、アボリジニー、アイヌなどのそれぞれの先住・少数民族について述べ、その問題点を考えていくというものである。
第1章はコロンブスとアメリカインディアンの出会いから、互いの支配関係の確立とそこに至る経緯について述べられたものである。
コロンブスの航海以前、つまり15世紀以前には、世界には本当の意味での人種差別は存在しなかったという。コロンブスの「新大陸到達」によって、世界に始めて「人種の違いによる偏見や民族差別意識」が発生した。彼はたどり着いた先々で領土宣言を行い、現地住民たちを支配していった。銃とキリスト教によって、軍事的、精神的に彼らを支配した後、彼らはさらに黄金と香料を求めて旅を続け、その結果、インディアンたちの数は激減した。
第2章は北・中南米やスカンジナビア半島、オーストラリアの先住民族、そしてアイヌ民族のそれぞれの歴史について述べられたものである。こ...