平成26年度近大姫路大学通信教育課程「算数科指導法」の試験解答例です。
1.算数教育の有用性、文化性、陶冶性について説明せよ。
2.戦後の学習指導要領に記された算数の目標の変遷を踏まえ、現行(平成20年)の学習指導要領に記された算数の目標の特徴を説明せよ。
3.算数的活動の意味について説明し、算数的活動を取り入れることで算数の授業をどのように改善することが出来るのかについて具体例を挙げて述べよ。
4.図形概念の表現としての図形表現を考えるとき、図が備えている数学的特質が5つある。その5つを説明し、それらの数学的特質が図形を認識する上でどのような問題の要因となるのかについて説明せよ。
5.問題解決学習について基本となる4つのプロセスを説明し、問題解決学習を行うことの有効性と問題点をそれぞれ考察して述べよ。
6.診断的評価・形成的評価・総括的評価の意味について説明し、算数の指導においてどのようにこれらの評価活動を運用することが良いと考えるのか具体例をあげて述べよ。
参考にお使いください。
算数科指導法
試験問題1 算数教育の有用性、文化性、陶冶性について説明せよ。
算数教育の有用性は日常生活のあらゆる場面においてみられる。まず数字を読んだり計算ができなければ買い物もすることができない上、時刻が読めないと集合場所に集まることができなかったり、あらゆる生活場面において支障をきたすことは明らかであり、この様な日常生活での算数の利用は算数の教材内容直接役に立つものである。しかし算数の有用性は直接的な利用だけに限らず、たとえばカードにページ打ちをして資料を整理しているとき、後になって5ページと6ページの間にページ数を打ちたいと言ったときそのページは5.5と表記することができ、また高低のある土地をならすとき、高いところの土を低いところに運ぶのは平均のアイデアに基づいている。また、小学校段階で算数につまずいていると中学校段階においての数学でつまずくのは当然の事であり、小学校の算数は中学校の数学に対する有用性ともいえる。
算数教育の文化性は、文学や芸術が先人の創造による優れた文化であるように算数もまた人間が作り上げてきたすぐれた文化であり、子どもたちはそれに対する知的好奇心を...