鳩摩羅什について
西暦350年ごろ~409年に生きた、クマーラ・ジーヴァ、羅什とも呼ばれる西域はクチャ出身の僧。父はインドの貴族の血を引き、母は亀茲国の王族である。幼いころに母に連れられてガンダーラへ行き、仏教を学ぶこととなった。初めは原始経典や阿毘達磨経を学んだが、後に大乗に転向して主に中観派の諸論書の研究に打ち込んだ。
384年に亀茲国を攻めた呂光の捕虜となり、以来18年の間、涼州での生活を余儀なくされた。その後401年に後漢の姚興に迎えられ、長安に入る。以来10年足らずの間に、精力的にサンスクリット語経典の漢文翻訳に力を注ぎ、同時に多くの門弟を育成した。
東アジアの仏教は、基本的に...