ヴェルサイユ体制の特徴は、第一次世界大戦で勝利した国々が有利な立場となり、代わりに、負けた国がとても不利な立場となったことである。ヴェルサイユ体制とは、戦勝5大国(英・仏・伊・米・日)に作られた秩序である。1919年に、連合国とドイツとの間でヴェルサイユ条約が結ばれ、ドイツには、全ての植民地の放棄、軍備制限、賠償金の支払いなどが課せられた。こうして成立した第一次世界大戦後のヨーロッパの国際秩序が、ヴェルサイユ体制である。ヴェルサイユ体制になり、今まで、国家の権利の一部であると考えられてきた戦争が、違法化の方向となった。そのため、集団的自衛権で、戦争を抑圧させ、ヴェルサイユ体制を機能させたのである。
第一次世界大戦後、アメリカは、ヨーロッパ各国の債権国となっていた。第一次世界大戦では、長期化に伴い、莫大な費用が必要になり、アメリカから費用を借りていた。つまり、ヨーロッパ各国が、アメリカの債務国となっていたのである。そのため、アメリカは、世界でも発言力が強くなり、世界の金融の中心にもなっていた。アメリカは生産力を強くし、市場を広げていったが、市場が追いつかなくなり、世界経済に大きな不均...