教育原理(2単位目)
1 戦後日本の教育改革について3点、私が興味のあるところについてまとめていきたい。
複線型学校制度から単線型学校制度へ
戦前は尋常小学校が義務教育とされて、それ以後については、進路は複数に分かれていた。戦後、小学校・中学校の9年間が義務教育となり、卒業後3年制の高等学校、4年制の大学というかたちで進路が一本化されることになった。
なぜ複線型から単線型へ変わったのか。旧教育基本法3条には「教育の機会均等」が謳われている。教育の機会均等とは、つまり教育の民主化を表していることである。今までの教育体系が、進路や性に対応して分かれていたものを、単線型することによって、広く国民に開かれた学校体系へと変えていったのである。
教育内容の国家統制から学校の自主制へ
戦前は教育内容の細部にまで、国家の統制が及んでいた。戦後、このような国家統制を改めて、教育内容の決定と実施は、基本的には地方と学校に委ねる方向で改革が行われることになった。
昭和21年に出された「米国教育使節団報告書」でも国家や行政が教育内容に介入するのではなく、教育内容は学校と教師の責任と自由に...