カルシウム リン マグネシウム 銅 亜鉛 ふっ素 骨形成 骨吸収 骨粗鬆症
骨に関与する栄養素にはカルシウム・リン、マグネシウム、銅、亜鉛、ふっ素などがある。各々について述べていくこととする。
まず骨を形成に必要な栄養素としてカルシウムとリンがあげられる。成人の体内に、カルシウムは約1㎏含まれ、無機質の中で最も多く、リンは約0.5㎏で、これに次ぐ。カルシウムは、体重の1~2%を占め、99%が骨と歯に存在する。リンは、85%がリン酸カルシウム等として主に骨に分布しているので、リンとカルシウムは一緒に扱われる。また、遺伝子の核酸の成分やATPなどの成分としても重要である。血清中のカルシウムの基準範囲は8.2~9.6㎎/㎗である。血清中のリン濃度の基準範囲は、0.8~1.6mmol/ℓと、カルシウムに比べて広く、食事からのリン摂取量の増減がそのまま血清リン濃度と尿リン排泄量に影響する。血清リン濃度と尿リン排泄量は、副甲状腺ホルモンによって調節されている。
骨は、吸収と形成を常に繰り返していて、成長期には骨形成が骨吸収を上回り、最大骨量に達する。特に、思春期前期にカルシウム蓄積速度は最大になり、この2年間に最大骨量の約4分の1が蓄積される。その後、成人では骨吸収と...