法の解釈は大きく分けると有権解釈と学理解釈に二分される。有権解釈とは、国家機関によって行われる公式の解釈のことであり、学理解釈とは、学者の学理的思考に基づいて行われる解釈をいう。この学理解釈は個人的な主張であるから、有権解釈に比べて強行性は乏しく、直接的な拘束力はもたない。しかし、これが本来の意味における法の解釈の技法である。
学理解釈は大きく分けると文理解釈と論理解釈に二分される。文理解釈とは、法文の意味を、専門用語(無効・取消など)や立法技術上の法令用語(推定する・看做すなど)に従いつつ、普通の言語習慣にしたがって常識的な意味に解する解釈である。すべての法解釈の出発点であり、最も説得力がある。
この文理解釈に対しては論理解釈というのがある。文字の国語学的解釈からは外れるけれども,その条文の設けられた趣旨・目的からして当然その条文が予定したと考えられるものを確定するのが論理解釈である。これには,国語学的解釈の範囲を拡大する拡張解釈,これを逆に縮小する縮小解釈があり,また変更解釈・反対解釈・勿論解釈・類推解釈などがその内容をなす。
拡張解釈の例として、刑法二六一条の器物損壊罪の「損壊」...