今後の世界経済の発展を考えるとき、環境問題、人口増加、南北問題を抜きにしては、一歩も進まない。これは国家レベルのみならず、一般庶民である私たちも、その経済活動において同様である。ここでいう経済活動とは、日々の生活のことである。
元来、商売や経済活動は、自分たちの必要を満たし、基本的な生活(食べ物、住みか、 敵や捕食者からの安全など)を確保するための手段であった。
産業革命以降、人々の欲求は増大し、必要を満たすためではなく欲求を満たすための消費へと変化した。こうして生産・消費・廃棄活動は膨張したわけだが、今も昔も変わらないことは、人類の経済活動すなわち生活は、他の生物種や自然環境に依存して成り立っていることだ。だが、経済と環境との相互依存関係は無視され、忘れられてきた。
一部の再生不可能な資源を除けば、地球資源は再生可能であり、ある意味、無限であるといえるだろう。しかし、資源の無駄遣い、暴力的ともいえる環境汚染によって、地球は無残に変化した。
また、環境劣化と貧困とは密接に関係している。貧しい国では、資源を持続可能な仕方で、利用するという余裕がない。しばしば、食糧と燃料の切迫し...