Z1001 日本国憲法(レポート第1設題)
テキストをもとにまとめたものです。
第1設題:法の下の平等について
「法の下の平等について」
人類普遍の原理である人間の「自由」と「平等」は、日本国憲法によって保障された基本的人権である。憲法14条1項では、「すべての国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分または門地により、政治的、経済的または社会的関係において、差別されない」としている。この平等原則は、人類が長年にわたって努力して獲得したものであり、人権を保障するということは、国の最高法規である。
近代における平等の考え方は、近代以前の、人を「生まれ」によって差別する封建的な身分制度を否定するものであり、「個人の尊厳」を最も重要なものと考え、「民主主義」を基礎とする平等思想に立脚するものである。
平等思想は古くは古代ギリシアの哲学者アリストテレスの正義論で見ることができる。また、多くの宗教のなかでも説かれているが、それらの平等の考え方は、倫理的な要請や、宗教上の教義にとどまり、法律上の差別の禁止や人々の平等な取り扱いへの要請にまで発展することはなかった。
近代に入ると、当時の啓蒙思想家たちが、「人は生まれながらに平等である」と説き、特に国家はすべての人を等しく取り扱うべきで...