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戦後日本の教育改革について3点を取り上げ、要点をまとめよ。
1点目は日本国憲法、教育基本法の制定である。戦前教育の国家主義的傾向が結果的に戦争へと向かわせたことを反省し、日本国憲法が制定された。また日本国憲法における「理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである」という背景理念の下、「日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立する」ために教育基本法が制定され、国民主権に基づく新しい教育制度が始まった。これにより戦前においては納税や兵役の義務と並ぶ国民の3大義務であった教育は、生存権と並ぶ社会的基本権の一つとして国民の基本的権利となった。(佐々井利夫 他著 「教育原理」 2012)教育基本法により、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成など、新しい理念に基づき、教育の機会均等の実現、普通教育の普及向上、男女の差別撤廃などをはかるなど、今日の教育理念の礎となった。(中野光 他著 「教育学 補訂版」 有斐閣 2004)
2点目は単線型学校制度の制定である。戦前の学校制度は中等教育から学校が分岐する複線型の学校体系である「複線型学校制...