参考文献のページまで記載しています。なお、本資料は合格していますが、自分の意見を入れるとより良くなりますとの講評をいただいているものですので、参考程度に御使用ください。
★19世紀末、行政の仕組みは、官僚制を形成したヨーロッパの方が発達していたが、行政学は、ヨーロッパに遅れをとっていたアメリカで成立した。この誕生の背景や発展の歴史及び各行政理論について区分して述べる。
★行政学誕生の理由は、以下二つに大別できる。まず、アマチュアによる行政を目的とした猟官制というアメリカ特有の公務員制度が行き詰まりを見せたことである。アメリカでは、1828年に就任したジャクソン大統領により、ジャクソニアン・デモクラシーとも称される国民の政治参加が促進された。しかし、ヨーロッパでのプロの職業官僚制を否定したアメリカは、都市化・産業化による行政の役割拡大に対処できず、公務員に対する国民の不満は頂点に達し、猟官制を改めて、公開競争試験による公務員採用(メリット・システム)を導入する運動が盛んとなり、政治介入による行政の機能不全の解決法を研究する必要性が生じた。次に、経営学の存在である。当時、ビジネス界で科学的管理法が流行し、政府機関も政治を切り離せば、企業と同じ組織であることから、経営学の適用により非能率な行政を改革し、最大限の効果を期待するための研究が進んだ。このように、噴...